この話は「第8話:グルアとティアナ」の後日談のようなお話です。
犬関係のお話・・・。
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『人はいつか裏切るかもしれない。
でも、絶対裏切らないのが「犬」なのです』
「くっだらないわ!」
目の前のテーブルにパサッとパンフレットを投げる彩織。
先程、「お餅と鶏の揚げ包み焼き」を作り、あまり出来が良くなくてご機嫌ナナメになっていた。
「犬なんて。所詮犬~なのよ。
ご主人様だって『強く』なきゃ駄目なんでしょ?
序列で決めるなんて最悪~」
もぐもぐ
もくもくと彩織の「失敗作」を食べる悠悟。
彩織の目の前の白いテーブル。
昼に買ってきた『ゴルゴ13』130巻と、
「犬の十戒・猫の十戒」というパンフレット。
が。置いてある。
『ゴルゴ13』の130巻は「黄金の犬」という話が載っていた。
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任務完了後にゴルゴは、任務のために素晴らしい働きをした犬たちに「或る」命令を下す。
犬は主人と決めた人間を何処までも追う習性があるため
そのままにしておけば、ゴルゴを何処までも追ってしまい、
結果的に敵に居場所を知られてしまう危険性を作ってしまう。
だからこそ・・・。
くぅ~ん
最後の別れ。
この世から去ることの悲しみではない。
主人と別れることの悲しみの声であろう。
(何だこのナレーションは)
パラシュートで去るゴルゴ。
直前に犬笛を吹く。(犬にしか聞こえないという笛)
合図、である。
一斉に崖から飛び降りる犬たち。
命令に従った。
今後、本能でゴルゴをどうしても追ってきてしまうだろう。
止むを得ない事情で、「そういう命令を出」さざるを得なかった。
犬たちはその命令を飲み、実行。
「短期間でこんなに犬たちと信頼関係を築くとは」
「奴は東洋の悪魔か?」
呆然とする敵たち・・・
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グルア「これは、、紙の上に描かれているとはとても思えない、
素晴らしい草子(本)ですね」
グルアが感動している。
でもそんなの二次元のお話だしっ。
「主人」てやつになんないと駄目なんでしょ?
強い人間だから、「ゴルゴだから」てのが。気に食わないわ。
と彩織。
ティアナ「強い人間に付くのは当たり前じゃなくて?」
妖艶に肩肘をついて言うティアナ。
壁に寄り掛かっている。
ちなみに今はグルアとティアナは人間化し、カジュアルな服装をしている。
黒いワンピースにふっわふわ黒カーディガンのティアナ。
白いTシャツとズボンに、ふっわふわの白いカーディガンを羽織るグルア。
(ふたり(二匹)の性格を表しているかのよう)
ティアナ「それに。御上(おかみ)には誰も勝てないわ」
ティアナは悠悟(=御上)ラブラブだ。
まただ~という顔をするグルアと彩織。
グルア「貴女の御上への忠義心は分かりますが、草子の人物と比べても・・・(汗)」
ティアナ「だって~凄い凄い言うんですもの。
んくっ」
片手に持っていたワインを飲むティアナ。
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う"っ んっ
ゴルゴ13の「黄金の犬」を読んですっかり感動してしまい、
涙をこらえながら続きを読んでいるティアナ。
グルア「ティアナ、ティッシュは御入用ですか?」
いつも勝手にハンカチやらティッシュやらを差し出すと、
「悲しみという目に見えない精神的なものが「物質化」した『涙』を「拭く」
という行為を他人が勝手にどうこうするのは無礼よ!」
と怒り狂うティアナ。
(誇り高い・・・)
べっ
べっつに!
御上と私のことと重ね合わせて読んだだけよ!
「カートゥーン(漫画)如きに感動する訳ないでしょ!」
ぐしぐし(手で涙を拭いている)
ちなみに、今悠悟は「日本の神々」と「道教の神々」が合同で主催している宴会
に呼ばれ、出掛けている。
(両親が人間ではないので、様々な世界と交流を持たなければいけない)
だいぶ前にお誕生日プレゼント(第8話)で色々と時を過ごしたグルアとティアナ。
そういえば
「ふたりは兄妹なの?それともなんなの?」
疑問に思う彩織。
振り向くふたり。
ティアナ「パートナーかな」
グルア「犬の頃に、、まだ狛犬に成る前に縁あって御上に引き取られ、
以後一緒にいるようになりまして・・・
戦友と言いますか。朋友のような関係とでも言いますか」
ふぅん
「夫婦か何かだと思った」
優しい男性をそのまま形にしたようなグルアと、
気の強い女性をそのまま形にしたようなティアナ。
グルアは語る。
悠悟はティアナをとても可愛がり、
ティアナも悠悟が大好きだった。
ずっと、ティアナの旦那様は御上ただひとりです。
ニコ、と微笑むグルア。
ハッ
「月まで脱走したことあったけど。
あなたが勝手に御上と仲良くしてたからよ」
ツンッと横を向くティアナ。
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ジャスミン茶を飲む彩織。
悠悟が向かい側のソファーでうたた寝している。
そもそもグルアとティアナを出したのは「彩織が退屈しないように」であった。
宴会から帰ってきて、スッとふたり(二匹)を引っ込めた悠悟。
すぅ
ぐぅ。。
良く分かんないけど
主人に忠実なんだってことは
「(良く分かったわ)」
まっ
「(悠悟の主人は私だけどね)」
フフッと笑う彩織。
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